[読書]パトリック・マグラア『失われた探険家』
- 作者: パトリックマグラア,Patrick McGrath,宮脇孝雄
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 単行本
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「ポストモダン・ゴシック」というらしい、ゴシックホラー風のモダンな怪奇小説です。
扱うテーマとしては精神異常とか血、腐敗なんかが多いです。
とっても不健全。
どの短編も良かったですが、一番怖いのは「監視」でした。
妄想症を扱ったこの作品の怖さは無限大。細かい描写の中にいくらでも怖さを増幅するとっかかりみたいなのがあります。
それと、腐敗の描写力が秀逸。ほんと臭そう。
しかし、蝿が主人公の短編「コ惑の聖餐」ではその腐敗が美しいもののように描かれ、実際そう感じてしまうから不思議。
腐敗を美しく描くって凄いなあ。