P・G・ウッドハウス『比類なきジーヴス』
- 作者: P.G.ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村たまき
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 単行本
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品性豊かなユーモア満載、洒脱なギャグ満載、くすりと笑える良い本だ。
まず、ストーリーが面白い。
毎回、場所を変え、季節を変え、ドタバタ騒動が巻き起こされる。
ラストにはいつも、「ありゃま」と椅子からずり落ちること請け合いのどんでん返し。
まあ、毎回パターンが似通ってくるので読み進めていくうち予想がついてしまうが、そうなったらそうなったで、お約束の展開として楽しめば問題ない。
しかし、この本で最も面白いところは、何と言っても登場人物のやり取りの妙だろう。
高い教養を持っていながら、ぐうたらでバカと紙一重の主人公の周囲を取り巻くのは、
人間離れした聡明さと恐ろしく広い情報網を持つ召使のジーヴスを筆頭に、一週間に一回は一目惚れをする超トラブルメーカーの親友ビンゴ、はた迷惑なお節介焼きのアガサ伯母さんと、イカレポンチとまではいかないが奇矯な人物ばかりだ。
台詞回しといい、人物描写といい、細かいところにもユーモアがたっぷりで本当に読んでて飽きなかった。
これは、次も楽しみだ。