ポール・ジェニングス『とても書けない物語』

とても書けない物語 (PJ傑作集)

とても書けない物語 (PJ傑作集)

オーストラリアでは知らぬ人はいないくらい有名な作家の短編集。
どうも、この作品は児童書の部類に入るらしい。
だからどうだってこともないのだが、児童書を読むのは本当に久しぶりだ。
そして、読んでみたらとても面白かった。
自分と同年代の知人には、児童書好きな人は結構いるがそれも頷ける。
面白いものは大人が読んでも、子供が読んでも、面白いからなあ。
作品の内容としては、独特のユーモアと明るさがある不思議な話ばかりだった。
どの作品もハッピーエンドで終わるし、全体の雰囲気がとても明るい。
一つ一つの短編に出てくるアイデアも面白い。
身に着けると磁石のようにゴミを吸い寄せるイヤリングとか、見たものを強制的に真似する猫を頭に乗っける「猫帽子」とか。
一番面白かったのは、「ビロードの玉座
落書きが全て現実化する公衆便所に閉じ込められた男の話だ。