トーマス・オーウェン『黒い玉』

黒い玉―十四の不気味な物語

ベルギーの作家の幻想小説集。
「１４の不気味な物語」と副題についてる通りの怪奇小説集。
どの話も気味が悪けりゃ、後味も悪い。
酷い話、嫌な話のてんこ盛り。
登場人物は碌でも無い偏執狂どもばっかりなのだが、鮮やかに描かれてて驚くほどのリアリティ。
話の展開の仕方も鮮やかで、一つ一つは短いながらも、きっちりと落ちをそれも二段、三段構えで仕掛けてくるので油断ならない。
実に愉快だ。