アブラム・デイヴィッドスン『どんがらがん』

待ちに待った、デイヴィッドスンの短編集。
あれこれ言う前に、とにかく愉快で楽しかった。
同じSFでも『ディアスポラ』読んでる時より、こっちの方がずっと楽しい。
以前に読んだ「あるいは牡蠣でいっぱいの海」や「グーバーども」なんかの印象が強かったので、変な話ばっかり入ってるんだろうと想像していたが、意外なことに違った。
もちろん、変な話も多いが、センチメンタルな「さあ、みんなで眠ろう」やロマンティックな「パシャルーニー大尉」、洒落た「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」など、色々な持ち味の短編がバラエティ豊かに収録されている。
表題作もタイトルの通りで面白かった。
「牡蠣でいっぱいの海」と表題作、それとさっき挙げた3つの短編が個人的なお気に入り。
あと、「クイーン・エステル、おうちはどこさ?」も良い。
結局、全部面白い。