フランツ・カフカ『カフカ短編集』

カフカ短篇集 (岩波文庫)

カフカ短篇集 (岩波文庫)

「変身」で有名なカフカの短編集。
「変身」も珍妙極まりないお話であるが、この短編集に収められてる作品も負けず劣らず珍妙だった。
例えば「流刑地にて」という短編。
旅行者が流刑地の将校に自慢の処刑装置を見せてもらう、将校は処刑装置の機能の素晴らしさについて延々と説明を繰り広げ、さらにはご丁寧に囚人を使って実演してくれる。
さらに話は進んでいくのだが、全部書いたら面白くないのでここで止める。
とにかく奇妙な話だった。しかし、その珍奇な話が滑稽でとても笑えた。
カフカの作品は、よく実存主義だのユダヤ教だのと小難しい解釈がなされているようだが、
そんなことよりヘンチクリンなお話の面白さ自体を楽しんだ方が良いような気がする。
そんなこんなで、よく笑って楽しいひと時を過ごした。