サラ・チャンピオン編『ディスコ・ビスケッツ』

ディスコ・ビスケッツ

ディスコ・ビスケッツ

イギリス出身の作家達によるドラッグ&レイヴ小説アンソロジー
19の短編が収録されているが、いずれもドラッグをキメて、電子音楽に合わせて踊ったり、セックスしてたり、たまに死んだり、殺されたり、殺したり、と賑やかだ。
19人の作家が、それぞれ異なった切り口、作風でドラッグカルチャーやレイヴシーンを描き出している。
が、実際に読んでみると、結構どれも似たような印象を受けてしまう。
特に場面ごとに切り取ってみると、当然と言えば当然だが、同じような感じだ。
ストーリーがほとんど無いものや、ビジュアルイメージがいまいち浮かんでこない作品などもあって、ちょっと読みづらかった。
そんな中、ジェフ・ヌーン作「DJNA」は突出した作品だった。
この作品だけでも読む価値がある。
他にも、マーティン・ミラー「サンシャイン・スター・トラヴェラーは如何に彼女を失ったか」、ダグラス・ラシュコフ「マニュエルはスノーで逝った」、アレックス・ガーランド「そのまばたきが命取り」などが面白かった。