NILE『ANNIHILATION OF THE WICKED』

Annihilation of the Wicked

Annihilation of the Wicked

アメリカ・サウスカロライナ出身のデスメタルバンド、4thアルバム。
このバンドの最も特徴的な点と言えば、バンド名にもあるとおり、エジプトなどの中近東の楽器を取り入れたり、歌詞にもエジプト神話やH・P・ラヴクラフト怪奇小説などをモチーフにしているところだろう。
いかにもコア向けな雰囲気が漂うバンドだが、実際はヨーロッパで大人気らしい。
そんなNILEの今作は、まあ相変わらず元気にやってるんだなあという感じ。
切り裂くような鋭いリフに、時に妖しげな魔術的オーラを発散し、時に狂乱の雄叫びの如く荒れ狂うソロを繰り出すギター。
地獄を這いずり回るかのような重低音を響かせるベース。
そして、破壊力抜群のブラストビートの嵐を叩き込みまくるドラム。
このバンドの演奏力は抜群だ。
歌詞の方も、モチーフとかいう域を超えて、膨大な資料と綿密な調査に裏打ちされた、かなり示唆に富んだものになっている。
が、ヴォーカルがデス声のため実際聴いてみると、何言ってんのかさっぱり聞き取れない。
全部「ヴォア゛〜」とか「ヴァ〜」とか「ウヴォ〜」とかに聴こえる。
ちなみに、このバンドには専任のヴォーカルがおらず、二人のギターとベースがそれぞれ受け持っている。
で、やっぱりどこで誰が歌ってるのか全然わからない。